そして初版から37年目を迎えたこの秋、なんと!【2019年度 グッドデザイン賞】をいただきました。
*****************************************************
【審査員評価】
ひらがなの美しさを伝える絵本として1982年に出版されたベストセラー。使われているひらがなはオリジナル書体で、シンプルなイラストとともにあたたかみを感じられるデザインである。細部まできっちりと作られている製本は、二次元の絵本としての製品というよりひとつのプロダクトとして考えられ完成されている。初めてのひらがなを学ぶ子どもたちにぜひ届けたい一冊である。
******************************************************
絵はもちろん文字まで作者自身が書き起すという こだわり。見開きに大きな絵と文字がひとつずつだけ。絵本なのにイラストのない真っ白な表紙。出版当時はもちろん、今でもこれほどまでに【デザインができること】を追求した絵本、知育絵本は非常に稀だと思います。
デザインが子どもたちの分かりやすさを助ける、ただ知識を得るだけでなく ひらがなの美しさ・不思議さ・面白さまで伝える…。作者のあとがきにある通り、「確かなひらがなの基本を身につけられ、視覚の絵本として感覚が豊かに育つ」ことを初版から具現化したデザインです。ですから 今日までひとつもデザインを変えていません。
この度の受賞は、40年近く私たちが心血を注いできた"子どもたちに届けるデザインの重要性“を評価いただいたことでもあり、永く読み継がれる本というプロダクトの素晴らしさも改めて伝える意義深い受賞だと感じています。
これは決して私たちだけの力では成し得なかったことです。
お店に置いてくださり その魅力をお客さまに届けてくださるお取引先の皆さん、共に妥協のない本作りをしてくれる印刷会社の皆さん、そしてなにより「キレイ!楽しい!」と心を動かし、読んでくださった沢山の読者の皆さんに、心から御礼申し上げます。本当にありがとうございます。
これからも『あいうえおえほん』は心に届くひらがな絵本として、変わらずに有り続けます。
そして戸田“デザイン研究室”と名乗るにふさわしい、心躍るデザインを届けられるよう より一層努力してまいります。
37年分のありがとうを込めて。
戸田デザイン研究室一同